行橋農林事務所視察

毎年実施している市内事業調査を行いました。
■アグリプロ株式会社(松蔭利幸代表)
・もともと水稲と請負作業主体の大規模経営。今後を見据えて、高収益化、安定経営のため、新たにハウスで野菜(葉物)の高度環境制御栽培に取組む。
・施設整備には、強い農業づくり交付金を活用。R3.4に開設。
・フェンロー型温室(3,744平米)一面にサラダほうれん草を栽培。無農薬、培養液水耕栽培で300Kg/日収穫。
・雇用は約30名パート。主に子育て世代を活用。柔軟な働き方で子育て主婦にもメリット。
■林地荒廃防止事業(天生田地区)
・平成6年に谷止工を施工したが、令和2年豪雨で土砂流出が。今後の土砂流出を防ぐため施工。
■県営ため池等整備事業(前田地区)
・江戸時代に築造された前田が池。老朽化激しく改修工事が必要。機能回復と災害未然防止。
・事業費は国県市で負担。
・H28着工、今年度で完成。
■海岸堤防等老朽化対策緊急事業(蓑島地区)
・昭和22年からの干拓事業で整備された堤防、排水樋門が老朽化。海岸堤防機能強化のため実施。
・事業費は国県負担。
・工期は平成24ー令和6年度。
■県単補助治山事業(蓑島地区)
・市道沿いにある山腹斜面が令和2年豪雨により一部崩壊。拡大崩壊を防止し斜面の安定を図る。
・市が実施。県が補助。
■視察調査を終えて
今回は松蔭さん以外はインフラ整備でした。松蔭さんの取組は、なかなかこの規模でされている方は近隣にはおらず、先を読んだ前向きな取組に敬意を表したいと思います。
日本は少子高齢化で人口減少傾向ですが、世界は爆発的人口増加。現在70億を超える人口は、2050年には100億とも言われています。世界的に見れば、一番の問題は水と食料の確保です。
世界では既に、食糧確保をめぐって争奪戦の様相を呈しています。その中で、今回の松蔭さんの取組のように、先進技術を使った農作物生産は、植物工場に見られるように、先進国がしのぎを削る分野です。
今後、このような取組は一層進んでいくことと思われますので、是非本県でも後押しをお願いしたいと思います。