農林事務所事業視察調査

【行橋農林事務所 行橋市内視察調査】

毎年実施している、地元における農林事務所事業視察調査。農林事務所の皆さんと行いました。

①大田完治氏(大田農園)
・R4度水田農業担い手機械導入支援事業
・コンバイン、田植機、トラクター、ロータリー導入
・水稲21ha、麦23ha
…市内ではかなりの大規模経営。圃場整備事業で整備された水田を中心に、高性能農業機械を導入し、効率的な生産体制構築、生産コスト削減に取組み、経営及び生産の改善安定を図る。
大田さんは、県指導農業士や、農業委員としても活動し、昨年度農事功績者表彰『緑白綬有功章』を受章。地域の宝であり、今後も後進の育成に大きな期待をしております。

②辻垣・道場寺・高瀬地区圃場整備事業
・経営体育成基盤整備事業
・工期H28-R5度
・事業費6.8億(県30%)
・35.6ha
…ここは毎年現地調査を行なっており、いよいよ事業完成となります。採択時の目標農地集積率46%を大幅に上回り、79.8%を達成。営農の省力化、コスト削減、生産性の向上が図られます。

③農地中間管理機構関連農地整備事業
・R5-11度
・稲童地区33.2ha
・事業費9.9億(県30%)
…②と同様、農地集積を図り安定経営を目指す。水稲に加え、園芸品目も組み合わせることで、生産性向上に取組む計画だそうです。今年度は実施設計。

④荒廃森林整備事業
・県の森林環境税を活用し、間伐を実施
・行橋市では、20年間で私有林の人工林面積414haの38%、158haの間伐を見込む
・実施主体 京都森林組合
…森林の荒廃を防ぎ、下層植生を回復させる取組み。今回の現場では放置竹林の問題もあり、侵入竹伐採も行っていました。

■視察を終えて
大田さんのような方は、地域の農業者にとって生き字引であり、財産。今後若手就農者を増やすにあたり、指導者の存在は欠かせない。同時に、大田さんのところでもIT技術導入。今やトラクターやコンバインもネットに繋がっており、例えばタンパク含有量や水分など、様々な数値が瞬時に分かるように。農業の課題のひとつでもある暗黙知(熟練者の勘のようなもの)の見える化は、着実に進んでいる。
また、基盤整備や森林再生のように、長期を見据えた事業も。まさにこれが『農は国の基』と言われるゆえんとも。長期的視点を持って取組んでいきたいと感じました。